Artist
参加アーティスト
森泉 智哉
Tomoya Moriizumi
>《MANDARAKE》2017年
Works
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>《MANDAR AKE》2017年
Profile
森泉 智哉 Tomoya Moriizumi
テンペラ
- 1983
- 長野県小諸市生まれ
主な受賞歴
- 2009
- 第10回日仏現代美術世界展入選
- 2011
- イルフ童画大賞展入選
- 2016
- 萱アートコンペ2016Blanc賞受賞
- 2017
- イースト ウェスト アート アワード公募展(ロンドン)入選
主な作品発表歴
- 2002
- 【個展】HEXAN/東京都、六本木
- 2004
- 【個展】尾張あさひ苑/阿智村
- 2005
- 【個展】ほんまち町屋館/小諸市
胡桃倶楽部/東御市
- 2010
- 【個展】浅間縄文ミュージアム/御代田町
- 2011
- 【個展】KIGIギャラリー/軽井沢町
- 2013
- 【個展】十一月画廊/東京都、銀座
- 2014
- 【個展】Shonandai My Gallery/東京都、六本木、以降連続開催
- 2015
- 【個展】Art Project 沙庭/軽井沢町
- 2016
- 【個展】軽井沢ニューアートミュージアム/軽井沢町
- 2017
- 【個展】Art Projects Gallery/香港、アートギャラリーBlanc/千曲市
- 2002
- 【グループ展】「GEISAI#2出展」
- 2015
- 【グループ展】「第5回N-ART展」(ガレリア表参道/長野市)
- 2013
- 【アートフェア】
「Young Art Taipei」(台湾)
「Emerging Directors’Art Fair・Ultra」(青山スパイラル/東京都)
「Art Taipei 2013」(台湾)
- 2015
- 【アートフェア】
「Affordable Art Fair」(シンガポール)
「Art Monaco 2015」(モナコ)
「Young International Artists 2015」(フランス、パリ)
- 2016
- 【アートフェア】「Affordable Art Fair」(USA、N.Y.)
- 2010
- 【出版】絵本『サラと魔法のチョコレート』出版
学芸員の解説
日本語テキストで読む
Read in English Text
MANDARAKE −ビールと発泡酒−
「重なり続けることで現世が存在している」
「重なり続けることで現世が存在している」
森泉智哉の“絵“が映し出すものは、現代を生きる人びとの姿と、彼らを取り巻くありとあらゆる物体や事象のイメージたち。それらは彼らが住まう街の縮図であり、現実世界の様相なのだろう。作家もひとりの人間としてこの世界で生活し、周囲の人びとや文化と交わりながら、また何の変哲もない俗物に囲まれて生きている。
個々の作品には題名がなく、一連の創作物に対して《MANDAR AKE》と名付けている。「曼荼羅華」とは色鮮やかで芳香を放つ天界に咲く花樹のことである。
《MANDARAKE》も同様にポップで明快な色味にあふれ、現代らしい雰囲気を醸し出しながらウネり伸び、増殖する樹木であるかのように造形されていく。だがしかし、これは偶然にも類似がみられるだけの、関連のないただの意味のない言葉だそうだ。
また、密教の宇宙観を図式的に配置したものが「曼荼羅」であり、そこに秩序と法則が存在するのであれば、森泉の“絵“は現実世界の模式図として有象無象がひしめき合う混沌としたリアルを思い浮かばせる。すなわち現代社会の曼荼羅、「リアル曼荼羅」なのである。この世は決して美しいものばかりではなく、美しいものを創造することだけが芸術ではない。身の回りに存在する雑多な物質や精神のイメージが集合体となり、この時代を象徴する。バラバラなイメージの集合はとても禍々しく、ケバい。しかし、そこが非常に面白おかしくもあり、その世界のなかで歯を剥き出しにしてニカッと笑みを浮かべることができるのが私たち現代人なのだ。
平成という時代に相応しい“絵“なのではないだろうか。
最後に最も追求すべき、テンペラ技法についてである。卵の黄身の部分を繋ぎに用いるルネサンス早期に起源を遡るこの古典技法を用いるわけ。それは発色の深みが好みであったというただそれだけの理由である。油彩やアクリル絵の具の色とのちがいを尋ねたとき彼は「ビールと発泡酒みたいなもの」と答えた。ちがいが分かる人にはわかるのだそうだ。
個々の作品には題名がなく、一連の創作物に対して《MANDAR AKE》と名付けている。「曼荼羅華」とは色鮮やかで芳香を放つ天界に咲く花樹のことである。
《MANDARAKE》も同様にポップで明快な色味にあふれ、現代らしい雰囲気を醸し出しながらウネり伸び、増殖する樹木であるかのように造形されていく。だがしかし、これは偶然にも類似がみられるだけの、関連のないただの意味のない言葉だそうだ。
また、密教の宇宙観を図式的に配置したものが「曼荼羅」であり、そこに秩序と法則が存在するのであれば、森泉の“絵“は現実世界の模式図として有象無象がひしめき合う混沌としたリアルを思い浮かばせる。すなわち現代社会の曼荼羅、「リアル曼荼羅」なのである。この世は決して美しいものばかりではなく、美しいものを創造することだけが芸術ではない。身の回りに存在する雑多な物質や精神のイメージが集合体となり、この時代を象徴する。バラバラなイメージの集合はとても禍々しく、ケバい。しかし、そこが非常に面白おかしくもあり、その世界のなかで歯を剥き出しにしてニカッと笑みを浮かべることができるのが私たち現代人なのだ。
平成という時代に相応しい“絵“なのではないだろうか。
最後に最も追求すべき、テンペラ技法についてである。卵の黄身の部分を繋ぎに用いるルネサンス早期に起源を遡るこの古典技法を用いるわけ。それは発色の深みが好みであったというただそれだけの理由である。油彩やアクリル絵の具の色とのちがいを尋ねたとき彼は「ビールと発泡酒みたいなもの」と答えた。ちがいが分かる人にはわかるのだそうだ。
MANDARAKE - Beer and Happoshu(low-malt beer)
What Moriizumi Tomoya reflects in his tempera paintings are images of people who live contemporary lives, among various things and phenomena surrounding them. Images of the wealth of things, both spiritual and physical, surrounding us, are aggregated in his works, and symbolize our age. He renders the reality of our world as chaotic, where all kinds of matter and spirit are milling about in his works as a representation of the real world. His works, seen as a mass of images having no relationship with each other, seem quite ominous and flamboyant. However, that’s why through their humor and strangeness, we feel compelled to acknowledge his works with a smile. His works truly reflect the Heisei Era, do they not?
Suzuki Kazufumi(Karuizawa New Art Museum)
開催会場
東信
丸山晩霞記念館
- 住所
- 〒389-0515
長野県東御市常田505-1
- 電話番号
- 0268-62-3700
- 開館時間
- 9:00~17:00
- 閉館日
- 無休
「シンビズム -信州ミュージアム・ネットワークが選んだ20人の作家たち-」会期中は開館時間、閉館日が通常と異なっております