ARTISTS
上田 謙二
ミクストメディア
WORKS & COMMENT
作品&コメント
《Hello》2017年
日本語テキストで読む
Read in English Text
悪と災いが解き放たれた
パンドラの箱の底に
希望が残るように。
大海を漂う硝子のメッセージボトルが
誰にも気づかれず漂い続け
荒波と岩礁に砕け海底へ呑み込まれてしまう不安と同時に
いつか何処かで誰かの手で拾われ読んでもらえるかも知れないと
いった望み。
僕の作品はそこへ向かい、表現しています。
パンドラの箱の底に
希望が残るように。
大海を漂う硝子のメッセージボトルが
誰にも気づかれず漂い続け
荒波と岩礁に砕け海底へ呑み込まれてしまう不安と同時に
いつか何処かで誰かの手で拾われ読んでもらえるかも知れないと
いった望み。
僕の作品はそこへ向かい、表現しています。
Like a shred of hope
At the bottom of Pandora’s Box
Where evil and misfortune were released,
A glass bottle with a letter in it floating freely in the ocean
Noticed by no one
Harbors misgivings that it may be broken by high seas or rocks
and swallowed up by the sea.
Yet, there is hope that somewhere, sometime, someone will pick it up and read the message.
My art aims to capture and incorporate this image.
At the bottom of Pandora’s Box
Where evil and misfortune were released,
A glass bottle with a letter in it floating freely in the ocean
Noticed by no one
Harbors misgivings that it may be broken by high seas or rocks
and swallowed up by the sea.
Yet, there is hope that somewhere, sometime, someone will pick it up and read the message.
My art aims to capture and incorporate this image.
《Front cover》2017年
《Back cover》2017年
《GOOD BYE1.2.3(センチメンタル通り)》2018年
《Demian: Die Geschichte von Emil Sinclairs Jugend(部分)》2016年
《Dust in the Wind》2017年
《Message in bottlesシリーズ》2016年
NEWS
上田 謙二の関連情報
Profile
プロフィール
上田 謙二UEDA Kenji
ミクストメディア
- 1962
- 東京都生まれ
- 1985
- 文化学院 夜間美術科卒業
- 2006〜
- 長野県在住
AWARD
おもな受賞歴
- 1995
- 柏文化フォーラム104大賞展 谷新の眼
- 1996
- 柏文化フォーラム104大賞展 建畠晢の眼
- 1998
- EU-JAPON展
- 1999
- 風の芸術ビエンナーレまくらざき
- 2000
- 行動美術新人選抜展
- 2001
- 安田火災美術財団選抜奨励展
RELEASE
おもな作品発表歴
- 1994−2004
- 行動美術展出品(東京都)
- 1994
- “Moon”(ギャラリーモテキ/東京都)
- 1995
- “MoonⅡ”(ギャラリーモテキ/東京都)
- 1996
- “MoonⅢ”(ギャラリーモテキ/東京都)
- 1997
- “BAROCK-69” (ギャラリーモテキ/東京都)
- 1998
- “R&R STOP THE TRAFFIC”(かねこ・あーと2/東京都)
- 1999
- “R&R STOP THE TRAFFICⅡ”(かねこ・あーと2/東京都)
- 2000
- 「天使の義足」(スパンアートギャラリー/東京都)
- 2001
- 「天使の義足Ⅱ」(かねこ・あーと2/東京都)
- 2004
- ふたりぽっち展(東京都)
- 2005
- ふたりぽっち展Ⅱ、ふたりぽっち展Ⅲ、ふたりぽっち展Ⅳ(いずれも東京都)
- 2006
- ふたりぽっち展Ⅴ(タイ、バンコク)
- 2013
- 「塩の柱」(KIGI Gallery & Studio/長野県、軽井沢町)
- 2014
- 「Nothing`s gonna change my world」(BITOHA美と葉effect, Art & Design/長野県、軽井沢町)
- 2015
- 「Progressive」(BITOHA美と葉effect, Art & Design)
- 2016
- 「Message in bottles」(BITOHA美と葉effect, Art & Design)
- 2017
- 「Dust in the Wind」(BITOHA美と葉effect, Art & Design)
COMMENTARY
学芸員の解説
日本語テキストで読む
Read in English Text
パンドラの箱
上田謙二の作品に初めて出会ったのは、碓井峠の旧道近くの小さなギャラリーだった。6年ほど前だっただろうか? 当時、脱サラしたばかりの貧乏コレクターであった私は、入口にほど近い壁にかけられた≪RUNNING ON EMPTY≫という作品を衝動的に入手した。何億年もの地層から発見された鉱物のように美しい塊だった。以後、彼の作品を蒐集するきっかけとなる。連作「Message in bottles」シリーズ、「Book」シリーズは名も知れぬ草花や風景、言葉を活字にし、ボトルや本を型取った厚い樹脂で閉じ込めている。その質感は砂糖菓子の風合いでもあり、鋭利で冷ややかな氷のようでもある。2006年、信州軽井沢町に移住。子どもの頃は感じていたのに忘れてしまっていたこと、山や川に入って感じた草や木、土、花の香などの自然の匂いに感動しながら土地に根付いた日々を送っている。五感を通して楽しめる作品からは軽井沢の湿気、草や土などのしっとりとした感触があふれてくる。
少年時代に母親の実家である長崎県佐世保に転校する。その後、定時制高校に進学、歯科技工士のアルバイトをしながら卒業。そのときの経験から樹脂を流し込む現在の技法につながっているらしい。以後、学資を稼ぐため千葉県のドラム缶工場に就職。
晴れて働きながら通える文化学院夜間美術科に入学し、芸術・文学・哲学のほか多くを学ぶ。そして、大きく影響しているものは音楽である。かつて住んでいた佐世保という土地柄から洋楽を楽しむ機会が十分にあり、ロックミュージックに強く惹かれていく。平和に対するメッセージを織り込んだタイトルが多いのも、その影響であろう。
日常のなかで心を動かされたことを作品に落としていくと、社会や世情に対してメッセージ性が強いものになるそうだ。
「作品は僕の日記のようなもの」と話す上田にとっての表現とは、開かれてしまった「パンドラの箱」の奥底にある「希望」を閉じ込める行為なのかもしれない。
少年時代に母親の実家である長崎県佐世保に転校する。その後、定時制高校に進学、歯科技工士のアルバイトをしながら卒業。そのときの経験から樹脂を流し込む現在の技法につながっているらしい。以後、学資を稼ぐため千葉県のドラム缶工場に就職。
晴れて働きながら通える文化学院夜間美術科に入学し、芸術・文学・哲学のほか多くを学ぶ。そして、大きく影響しているものは音楽である。かつて住んでいた佐世保という土地柄から洋楽を楽しむ機会が十分にあり、ロックミュージックに強く惹かれていく。平和に対するメッセージを織り込んだタイトルが多いのも、その影響であろう。
日常のなかで心を動かされたことを作品に落としていくと、社会や世情に対してメッセージ性が強いものになるそうだ。
「作品は僕の日記のようなもの」と話す上田にとっての表現とは、開かれてしまった「パンドラの箱」の奥底にある「希望」を閉じ込める行為なのかもしれない。
加藤 泰子 (心の花美術館 in 上田)
Pandora’s Box
UEDA Kenji moved to Karuizawa-machi, Shinshu, in 2006. He spends his days rooting himself in the land of Shinshu, being moved by the redolences of “nature,” such as the trees, soil, flowers and so on, which he senses among the mountains and rivers. Though he experienced the same feelings in his childhood, he forgot them long ago. The artist, who is fond of the nature found in Karuizawa and rock music, presents his messages for peace in collages consisting of some “nameless” plants together with his brief comments, all covered with thick resin. For the artist, who says, “my art is a kind of diary,” his creations might be equivalent to acts of shutting out the “hope” left at the bottom of “Pandora’s box,” now opened.
Kato, Yasuko (Art Collection Museum in UEDA)
EXHIBITION MUSEUM
開催会場の情報
丸山晩霞記念館
東信エリア
- 住所
- 〒389-0515
長野県東御市常田505-1
- 電話番号
- 0268-62-3700
- 開館時間
- 9:00~17:00
- 閉館日
- 無休
丸山晩霞記念館はシンビズム2開催期間中(2018/12/01~12/24)、丸山晩霞作品の展示はございませんのでご注意ください。
「シンビズム2 -信州ミュージアム・ネットワークが選んだ20人の作家たち-」会期中は開館時間、閉館日が通常と異なっております