SHINBISM | シンビズム | 信州ミュージアム・ネットワークが選んだ作家たち

ARTISTS

  • 《夜に沈む》2014年
  • 《ふたりぼっち》2015年
  • 《雨あがり》2015年
  • 《ビーナス》2015年
  • 《カランコエ》2017年
  • 《ひそひそばなし》2016年
  • 《apartment I》2016年

青山 由貴枝Aoyama Yukie

銅版画
青山 由貴枝

STATEMENTステートメント

日本語
ENGLISH

日常生活に潜む違和感

無表情で性別もわからない人間が登場するモノクロの作品群。大学生のとき、このモノクロの人間がふと降りてきたという。その後、このモノクロの人間が拡大や縮小しながら、作品に登場するようになる。「この人間たちは、自分たちである」と作家はいう。作家は、慣れ親しんだ日常的な事物を奇異で非日常的なものとして表現している。たとえば信号待ちをしているときや電車に乗っているとき、私たちは名前も知らない人に囲まれる。そのような場面、私たちは無表情であり、周りの人びとにも関心を示さないため、どのような恰好の人がいたのか覚えてもいないということが多々あるだろう。作品に表情もなく色もないのは、他人に気も留めていなく、他人の人生ストーリーも知る由もないことを意味している。知らない人と同じ空間をともにするということに違和感を覚え、その違和感を作品として制作しているのである。


何気ない「日常」に、「はじまり」は落ちている―。昨日も今日も、おそらく明日も繰り返す「日常」。私はいつも、繰り返す日常の不思議やそこに在る一瞬の風景にこだわってきた。同じ電車や建物の中に、同じ顔、形をした自分と他者が同時に平然と存在し気にも留めず共有する日常の異空間は、ふと立ち止まると異様であり不気味である。あるいは意味もなくおかしい。他者との出会いとは、選ばれて訪れるものだと思う。声も名前も知らず出会うことのない多くの他者の中で生活しながら、違和感なく過ごす人々。その異様さ、不気味さ、不思議に私はいつもとらわれていた。日々の中で何気なく目にした場面を切り取り、異化しながら表現する事で、日常から発生する不安や不思議、日常の儚さを観る者に問いかけたい。あなたは、今日、すれ違った人の顔を思い出せますか?
(青山由貴枝)

須坂市旧小田切家住宅 梨本 有見

The Alienated Feeling Lurking in Our Daily Life

In her group of monochrome works displaying expressionless and genderless figures, Aoyama Yukie presents our mundane, day-to-day lives as strange and extraordinary. In our daily lives, we are sometimes surrounded by strangers. In such cases, our faces are devoid of expression and we show no interest in the people surrounding us. Expressionless and colorless figures seem to offer a metaphor for indifference to others, much less any hint of mystery hidden in their lives. Aoyama Yukie renders, in her works, her uncomfortable alienated feeling which she experiences when she shares space with unknown people.

Kyu Otagiri House Nashimoto Yuumi

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