SHINBISM | シンビズム | 信州ミュージアム・ネットワークが選んだ作家たち

MUSEUMS

山ノ内町立志賀高原ロマン美術館
長野県下高井郡山ノ内町平穏1465  Google Map
TEL:
0269-33-8855
休館日:
木曜日(作品入替えのための臨時休館あり)
開館時間:
9:00 - 17:00(入場は16:30まで)
入館料:
大人 500円 / 20人以上大人団体 450円
小中学生 300円 / 20人以上小中学生団体 250円
山ノ内町立志賀高原ロマン美術館

長野新幹線長野駅から、長野電鉄に乗換え湯田中駅下車、志賀高原方面行バスにて上林(かんばやし)下車、徒歩1分。
またはタクシーにて8分。
上信越自動車道、信州中野I.C.から国道292号線(志賀中野線)経由15分。駐車場60台。

ESSAYエッセイ

日本語
ENGLISH

山ノ内町立志賀高原ロマン美術館と
高見澤文雄、中村ヒカル、ムカイヤマ達也

美術館を訪問するときは、美術館の建物だけでなく美術館の建つ風景、生活圏から美術館までの移動手段、沿道やアプローチを楽しむことにしている。現実世界から美術館という非現実世界への誘いを体感するためだ。

山ノ内町立志賀高原ロマン美術館には電車・バスでも訪れることができるが、私は車で訪問することが多い。上信越自動車道を下り志賀高原への上り坂を進んでいくと、実生活感のある風景から右に果樹園が広がり左に夜間瀬川・湯田中渋温泉郷を見ながら山に向かって進んでいく。そして山々を背景に左手に見えてくるのが、円錐のガラスの塔そして丸みを持った屋根の美術館が現れる。地獄谷野猿公苑入口に建っているので美術館目的だけでなく多くの観光客で賑わいがあり、車から降りると多くの言語が飛び交っている。

建築家黒川紀章による設計が施され「自然との共生をテーマに周辺の環境と調和しながら独立性を主張」をコンセプトに、1998年長野オリンピック冬季競技大会開催を記念して前年97年秋にオープンした美術館である。建物内外はコンクリート面にキラキラとチタン金属片が埋め込まれていて、時間や天候、季節によりその反射の色合いが微妙に変化する演出を見せてくれる。

黒川氏によると1990年代に好んで用いた建築様式「アブストラクト・シンボリズム(象徴的・幾何学的な形に象徴的な意味を与えるという氏独自の建築手法)」の考え方に基づく美術館の形とのこと。三角、円錐形、楕円形といった幾何学的な形に、建物が建つ場所の地域性や歴史を重ね合わせて設計されていることを頭に入れながら入館することをおすすめしたい。

外光で照らされた入口を入ると、展示室へは洞窟に吸い込まれていくようなワクワク感とともに自然と足が運ばれていく。展示室に入ると12本の円錐形ガラス展示台が深海から船底を仰ぎ見るかのような15mの吹き抜けのある展示室に入る。照明が落とされていて濃い灰色の壁面が特徴的である。この吹き抜け展示室をぐるりと囲む形で2階に続く展示室が配置されている。幾何学的な形の備え付けの展示台は、作品がより際立つ間隔と高さに作られていて、作品と対話して表現を伝えてくれているように感じる。どの展示室も照明照度が抑えられていて、濃い灰色の壁面は温度・湿度により青みがかったり、黄色みがかったりと変化がみられ、自然と共振共鳴しているなかでの作品展示となる。展示作品だけでなく、空間も含めて楽しみたい美術館である。

「シンビズム5」で展示される3名の作品が山ノ内町立志賀高原ロマン美術館展示室でどのように展示されるかが興味深い。社会に起こる多様な現象にアクセスする手段として絵画を用いるムカイヤマ達也氏、作品の命運とは「記憶」されなければならないことであるという高見澤文雄氏、感情や空想を質感のあるイメージのブロックに置き換える作業を行なっているという中村ヒカル氏。この空間と各作家が対話し、作品のミッションを入館者に伝えられるよう願っている。3名の個性のある作家の作品と展示空間・入館者の感性がどう共鳴するかと思うと心躍る。

展示を鑑賞した余韻を残しながら、隣の円錐ガラス張りのレストランで食事やお茶をするのもよいと思う。観てきた展示のこと、建物のこと、美術・芸術のことを語っていただきたい。そしてそれが人生を豊かにする糧になることを願っている。

小海町高原美術館 名取淳一

Essay from the Venue of the Shigakogen Roman Museum
About Shigakogen Roman Museum

Shigakogen Roman Museum located in Yamanouchi- machi, designed by the world-famous architect, Kurokawa Kisyo, with the concept of “exhibiting independence under the theme of symbiosis with nature, while producing good harmony with the surrounding environment,” opened in autumn 1997.

The exhibition hall leading to the second floor is arranged to surround the atrium exhibition room. The geometrically shaped display stands are built-in, at appropriate intervals and height, so that the exhibits stand out. It seems as if they are in conversation with each other and conveying messages from the works themselves. It’s interesting how the works of three artists will be on display in this exhibition room for the “Shinbism 5” exhibition. Moreover, thinking about how the works of these three unique artists, the exhibit space and the sensitivity of viewers, will resonate with each other is exciting, as well!

Koumi-machi Kougen Museum of Art Natori,Junichi

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