ARTISTS作家一覧
赤羽史亮AKAHANE Fumiaki

略歴
| 1984 | 長野県生まれ |
|---|---|
| 2008 | 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業 |
おもな作品発表歴
個展
| 2007 | 「Fumiaki AKAHANE」(MAGIC ROOM? /東京都) |
|---|---|
| 2009 | 「輝く暗闇」(magical,ARTROOM/東京都) |
| 2014 | 「MY WAR」(island MEDIUM/東京都) |
| 2015 | 「OK PAINTING」(One’s Room gallery & studio /沖縄県) |
| 2017 | 「OILY YOUTH」(武蔵野美術大学 gFAL /東京都) |
| 2019 | 「SOMETHINKS『Compost Paintings』」[SUPER OPEN STUDIO 2019](アートラボはしもと/神奈川県) |
| 2020 | 「Against gravity」(Token Art Center/東京都) |
| 2022 | 「Rotten Symphony」(CAVE-AYUMIGALLERY/東京都) |
| 2023 | 「SOILS AND SURVIVORS」(諏訪市美術館/諏訪市) |
グループ展
| 2017 | 「Spring Fever」(駒込倉庫/東京都) |
|---|---|
| 2019 | 「Token Art Center プレオープン展」(Token Art Center /東京都) |
| 2020 | 「泥深い川」(icou、北條工務店となり/東京都、企画:Token Art Center)、国立奥多摩湖 〜もちつもたれつ奥多摩コイン〜」 (gallery αM /東京都)、「ARTISTS' FAIR KYOTO 2020」(京都府京都文化博物館別館/京都府) |
| 2021 | 赤羽史亮・中村太一「PAINTINGS」(CAVE- AYUMIGALLERY /東京都) |
| 2023 | 「ART SANPO 2023」(今治市内店舗/愛媛県、企画:Imabari Landscape)、「VOCA展2023 現代美術の展望−新しい平面の作 家たちー」(上野の森美術館/東京都)、「口肛具譚」(TALION GALLERY /東京都) |
STATEMENTステートメント
「ありのままの世界」を描き出し、肯定する。
菌糸、微生物、内臓壁、呼吸口…。赤羽史亮が描く世界は、そういった生々しいモチーフが画面の中で飽和状態となって蠢き、まるで観るものが生物の内臓や胎内、または堆肥場や腐葉土の中にいるかのようなイメージを喚起させる。「自分の中のリアリティとは何か?」を追求していると語る赤羽の作品は、アカデミックな構図や技法などを気にかける様子もなく、暴力的なまでに純粋である。いうなれば、表面的な美しさや法則、秩序の上につくられた世界の裏側にある、混沌として無秩序な世界である。その作品を前にすると普段我々が直接目にしがたい、がしかし確実に存在している世界を、改めて目の当たりにしたかのような気分にもなる。
赤羽は南箕輪村出身の作家で、大学進学のため上京して以降、関東や岐阜県などへの転居を経て、現在は茅野市で制作している。
進学後しばらくはあまり絵を描かず、ノイズミュージックを演奏したりしていたが、70年代末から80年代にアメリカで興った新表現主義のジュリアン・シュナーベルや、ポストモダニズムのジョージ・コンドなどの作品に触れたことなどをきっかけに、「日本人である自分にとっての絵画のリアリティを表現しよう」と思い立ち、絵画制作に向かうようになった。
「絵の具を扱うことが好きだった」と語る赤羽。初期の作品は白黒の絵の具で描いていたが、その理由は「絵の具を混ぜていると黒くなってしまうから、いっそのこと白黒で描いてしまえばいいと思った」という。初期の作品から既に、現在の作品にもみられるキノコや、菌糸のようなモチーフが描かれ、現在の作風に近いものがあった。
2006年に初めて作家として作品を発表。その後は意欲的に個展やグループ展を行ってきた。赤羽はそのたびに反省と実験を繰り返し、迷いながらも作品の完成度を高めていく。その中で白黒だった画面は原色に近いカラフルなものになったり、漫画のようなモチーフもたびたび登場したりもした。制作は当時から現在においても完成形やコンセプトありきのものではなく、ドローイングなどで自分の中から表出してきたモチーフや形を集めたりしながら作品にしていくという。
2019年に行った個展「SOMETHINKS『Compost Paintings』」([SUPER OPEN STUDIO 2019]アートラボはしもと/神奈川県)では、「色を多用することを意識した」という通り、ひときわカラフルな画面が展開されていたが、まだ自分の仕事に対して否定的な部分があった。しかし2022年の個展「Rotten Symphony」(CAVE-AYUMI GALLERY/東京都)の際にはそれまであった否定的な意識は昇華され、納得のいく作品が作れるようになり、赤羽はこの時の制作を転機と捉えている。
今回の展示作品を構成するにあたっても、過去の作品を出品するのではなく、2022年から続く今現在の作品を展示することにこだわった。作家の根底にある初期の頃からみられるモチーフ群が、作家自身の幾度もの試行錯誤を経て身に付けた絵の具の混色や素材の組み合わせによって、生き生きとしたリアリティを手に入れ、さらには絵画という平面を飛び出して鑑賞者に迫ってくる。作家が本来表現したかった世界が、今まさに醸成しているようである。先に混沌とも形容したが、一旦飛び込むと柔らかくて潤湿、体温のような温かみも感じられ、ありのままを肯定する〝優しさ〟も内包する独自の世界をシンビズム5でぜひ体感してほしい。
上田市立美術館 清水雄
Expressing the “World as It Is” and Affirming It
AKAHANE, who pursues what he refers to as “what is the reality within myself?”, doesn’t seem to care about academic compositions or technique. His works are so pure as to be called violent. In other words, his works represent a chaotic world existing on the other side of superficial beauty or, the world built on regulations and order. However, if we dare to jump into his world, we feel something soft, moist and warm, like our body temperature, which contains even a “gentleness” that affirms things as they really are.
I strongly recommend viewers to experience the unique world which this emerging artist wishes to express, in this “Shinbism 5” exhibition.
Ueda City Museum of Art Shimizu, Yu



内臓のような森の中で巨大なキノコは死体を食べて分解し、人間は昆虫のように這いずりまわり土を食べている。絵の中の無数の穴は植物の呼吸のための気孔であり、生命体の生殖口であり、時として絵画自体が呼吸しているようだ。
マテリアルは絶えず私に制作の糸口を与えてきた。イメージと物質の間で制作を行う中で、私の絵画は独自の生態系のようなものを構築してきたようだ。それは私のこの世界に対するリアリティであり、私は自身の内部から聞こえる音に耳を澄ませて制作を続けなければならない。
In a gut-like forest, giant mushrooms eat and decompose corpses, and humans crawl like insects and feed on the soil. The innumerable holes in the painting represent stomata for plants to breathe, or genital-like mouths for living organisms. Sometimes, the painting itself seems to breathe through the holes.
Materials have always inspired me to create. It seems that my paintings have built something like a unique ecosystem while I am working between images and materials. They reflect my reality toward this world. I need to listen to the sounds that come from within me and continue to create works.