SHINBISM | シンビズム | 信州ミュージアム・ネットワークが選んだ作家たち

ARTISTS

  • 《幕開け》2017年
  • 《Can you hear me?(未完)》2017年
  • 《雨雲に一番近いところ》2017年
  • 《Don't kill me》2016年
  • 《heavenly》2017年

小林 冴子Kobayashi Saeko

油画等
小林 冴子

略歴

1983 長野県佐久市に生まれる
2008 大阪成蹊大学芸術学部美術・工芸学科絵画表現領域洋画工房卒業
以後、佐久市を拠点に制作。油彩、アクリル、水彩、ペンなどを素材に風景画や人物画から抽象的表現まで。

おもな作品発表歴

2004 初個展「空の穴」(びすとろぐ~て/佐久市)
2009 個展「かいこてん」(元麻布ギャラリー佐久平/佐久市)
2012 個展「今日までの日、今日の灯」(十一月画廊/東京都、銀座)、グループ展「5人の女流作家展」(北野カルチュラルセンター/長野市)
2013 個展「手の記憶」(山門ギャラリー/佐久市)、グループ展「mille-feiull」(ギャラリー惺SATORU/東京都、吉祥寺)
2014 個展「本日の行き先」(元麻布ギャラリー佐久平/佐久市)、イベント境内アート小布施×苗市(陽光山玄照寺/小布施町)
2015 個展「絵具とコーヒー屋」(花桃果/佐久市)、イベント「さくデ。2015【まちデ。】」(佐久市)
2016 個展「小林冴子展」(Shonandai MY Gallery/東京都、六本木)、グループ展「ドローイング3人展」(FIATFILESLASH/長野市)
2017 個展「My Sweet Winding Road」(山門ギャラリー/佐久市)、個展「君がくれた花」(AAA Gallery/神奈川県、横浜)、個展「スーパードーターズ」(Blanc Art Gallery/千曲市)
2018 個展「(タイトル未定)」(喜劇駅前食堂/佐久穂町)

おもな受賞歴

2010 第63回長野県美術展SBC賞
2011 第65回佐久美術展新人賞
2013 第27回佐久平の美術展新人賞
2014 アートムーブコンクール2014ドリーム賞
2016 第30回佐久平の美術展奨励賞、第33回FUKUIサムホール美術展優秀賞

STATEMENTステートメント

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点描のゆくえ

最初に彼女の作品を観たのはいつだったか。10年近く経っているような気がするのだが、そのときの感覚を今でも覚えている。特別なことが描かれていたわけでも、衝撃的な技法を使っていたわけでもなかったのだが(言い方が雑だが普通の油絵だった)、作品から何かが伸びてきて私の芯を掴んでいった。

もともとイラストを描くのが好きだった彼女は中学校で絵画部に入部。だがとくにタブローを制作することに関して何の思いもなかったようだが、2年生の夏休みに家族で訪れた欧州でゴッホと出会ってしまった。それが「絵かき・小林冴子」の出発点となったという。その後、大学3年生のときに入院・休学を余儀なくされて自分を喪失した時期、卒業後に絵を描くことを趣味にすべきかどうか悩んだ時期を経て2011年、東日本大震災の経験が第二の出発点になった。ニュースをみながらいろいろと思いを馳せるなか、「描きたいものを、瞬発力をもって描こう」と決意し、1年に100枚は描こうと取り組んでいるということだが、時折作品から感じる風力はこの瞬発力の所以かもしれない。

以後、現在までに作品がいろいろと変遷しているのだが、とくに意識しているわけではなくいつの間にかふと気がつくと「そういえば最近アレ描いてない」と。自然体にもほどがあると思わず笑ってしまったのだが、その態度が作品に表れているのかと納得した。彼女の作品の一番の魅力だと思っている「佐久の抜けるような光と空気と湿度が感じられること(風景画でなくても)」は、素直で柔らかな心持ちで呼吸をするように絵を描いていることが要因なのだろう。そして同時に、彼女は絵を描くことで呼吸しているのだ。

軽やかに舞うように次々と作品を生み出す彼女は、ロックやクラシック、ポップやバラードなど、さまざまな音楽が詰め込まれたアルバムのような絵描きでありたいと語る。今もそうだと思いつつ、もっとちがう高度を、密度のちがう空気のなかを飛んでみてほしい、と願っている。

佐久市立近代美術館 工藤 美幸

The Direction of Pointillism

An encounter with the works of Van Gogh when she was an eighth grader in junior high school, inspired Kobayashi Saeko to be a painter.

She produces her paintings following her impulse “to paint instantaneously whatever she wants” as if breathing. The transparency which seems to radiate from her paintings might have originated from her attitude toward her unique execution. For the artist, who produces works one after another as if dancing lightly, the kind of painter she wants to be, as she says, is just like a music album which covers various genres of music such as rock, classical, pop, ballads and so on. Though I admit she is already such a painter, I still wish her to try to soar much higher, experiencing different altitudes in which the air differs in density.

Saku Municipal Museum of Modern Art Kudo Miyuki

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